勉強会・セミナー

タイガーマスク基金 勉強会#2
知っていますか?児童養護施設~子どもたちが自立するために必要なこと

タイガーマスク基金第2回勉強会「知っていますか?児童養護施設~子どもたちが自立するために必要なこと」を2011年6月6日(月)に行いました。今回は、子どもたちの自立に焦点をあてた内容。児童養護施設の子どもたちの社会的な自立についてサポート活動を行うCROP.-MINORI-の代表中山すみ子さんの話をお聞きした後、参加者が4グループに分かれて話し合いました。

 

 

CROP.-MINORI-は、子どもたちの心のケアのためにさまざまな活動をしています。今回お話しいただいたのは、御蔵島で4泊5日の生活をするプログラム。CROP.-MINORI-では毎年、児童養護施設で暮らす中高生を対象にこのプログラムを実践しておられます。御蔵島には野生のイルカがいます。イルカや島の人々、大樹や多くの自然とともに、子どもたちが満たされる時間を過ごす様子を映像とともに紹介いただきました。

 

 

児童養護施設を卒園する子どもたちは、社会に出てから失敗した時に戻れるところがなく、苦しむことが多いとのこと。御蔵島での時間は、18歳で施設を出る前に、自分は何なのか向き合い、自立のための心の準備となっているというお話しでした。

 

 

CROP.-MINORI-のスタッフの方は、アートセラピストでもあります。言葉で伝えるのが苦手な子どもが、絵で自分を表現すること。それらも心のケアの一つとして長年取り組んでおられます。

 

各グループの話し合いは、すぐに答えの出るものではありませんが

  • 地域で受け入れる体制について
  • 子どもたち夢を持つための選択肢を持たせることが大事
  • 親から子への虐待が増え、卒園して親元に帰れない。失敗した時に子どもたちが戻れるところのサポート体制をいろいろな可能性で考えていくことが大事。
  • 心のケアの必要性。卒園時の地域の受け入れ体制について。

が話題となりました。

 

締めくくりとして、中山さんは「子育ては大人にかかっている」と話されました。児童養護施設で育つのか、各家庭で育つのかを問わず、子どもをどうやって大切にし、愛するのか。個を大切にして自己肯定感をどうやって高めるか。

 

それには愛情と厳しさの両方が必要だけれども、最初にこそたくさん優しさと愛情が必要だというメッセージでした。優しさの後に厳しさがあると効くけれども、先に厳しさがあると後からどんなに愛情を入れようとしてもなかなか難しい。特に児童養護施設の子どもたちは、地域や社会が育てていくので、最初にたくさんの愛情を伝えることが本当に大切なのだというのが、ご自身の活動の中からの言葉でした。

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