事業報告

■平成28年度 児童養護施設退所者への支援について

タイガーマスク基金は、皆さまからのご寄付を、働きながら四年制大学に通う児童養護施設や自立援助ホームなどの社会的養護出身の学生に返済不要の支援金として届けています。

 

今年度は、公募により、平成29年4月に大学進学した新入生30名、
平成26年度に大学進学し今年大学4年生に進級した学生34名、
平成27年度に大学入学し今年大学3年生に進級した22名、
ならびに平成28年に大学進学し今年2年生に進級した学生37名、
総勢123名に一人当たり6万円(総額738万円)を支給いたしました。
(新入生には初年度の後期支援金として11月に一人当たり6万円を支給予定。)

 

これにより、平成24年度からの延べ人数は394 名となりました。進学サポーターの皆さま、助成金を給付してくださった「連合・愛のカンパ」様、「ジョンソンコントロールズ株式会社ビルディングシステムズ」様、「公益財団法人おかねをまわそう基金」様、チャリティギフトでご協力いただいた「日高わのわ会」様、「宇佐もん工房」様、「果樹園さかもと」様、タイガー自販機を通じてご寄付をいただきましたオーナー様やサントリーフーズ株式会社様、キリンビバレッジ株式会社首都圏地区本部様、Japan Givingファンドレイジングキャンペーンにご協力いただいた方々(※)、そしてご寄付をお寄せくださった全ての皆さまに心より御礼を申し上げます。

 

タイガーマスク基金は進学支援を実行すると同時に、経済的な問題で進学を断念している施設の子どもたちの現状を伝え、奨学金の必要性について広く社会に訴えて参りました。たくさんの皆さまがこの問題に関心を持っていただいたおかげで、ようやく国による「給付型奨学金」制度が創設され、社会的養護の子どもたちは先行して給付されることとなりました。タイガーが発足した当時年には、自立生活支度費として最大でも二十数万円しか支給されておらず、この進歩は大変喜ばしく受け止めています。

 

しかしながら、せっかくの制度が学生からの応募が定員に満たずに受付が延期されるという事態も発生しています。初年度のため、学生に情報が十分に周知されていないこともありますが、高校の推薦が必要であったり、成績が低下した場合は返還を求められるという条件について、学生によっては利用に不安に感じる要素があった可能性も推察されます。

 

そもそも日本は、高等教育への財政支出の対国内総生産(GDP)比は先進国の中で最低レベルです。賃金が右肩上がりの時代には、奨学金なしでも高い授業料や仕送りをまかなえる家庭が多くありましたが、現在では共働きでも高額が学費を捻出することは難しく、多くの学生が貸与型の奨学金を借りています。国立大の学費が数万円だった時代の感覚で、「国立大に行く学力がなければ働けばよい」というご意見をいただくこともありますが、国立大学の授業料は40年前の15倍と高騰しています。施設の子どもたちは、頼れる家族がいないため、保証人が必要な貸与型の奨学金を借りることも困難であり、高卒後の進学率は、全体の5割に比べてたった1割と厳しい現状が続いています。

 

タイガーの支援制度は、「返済不要」で「高校時代の成績は不問」、「日本国内どの地域からも応募でき」、「使途は自由」であるという緩やかな条件が、たとえその金額が高額ではなくても、多くの学生や施設職員の方より「使い勝手かが良い」という評価をいただいています。公的な制度は基準や条件が明確で厳密なところがありますが、平等性を追及すると制度の網の目からこぼれてしまう学生が出てきます。私たちの役割は、より柔軟に子どもたちのニーズに寄り添うことができるようなプログラムで官民一体となって子どもたちを応援できる体制を創ることだと考えています。

 

高校卒業と同時に、ほとんどの子どもたちが施設を出て、衣食住全てを自分で工面しながら大学に通わなければならない状況は現在も変わっていません。生まれる環境も、育つ施設も自分では選べなかった子どもたちに、奨学金の選択肢は一つでも多い方が良いと考え、タイガーマスク基金は今後も支援活動を継続いたします。子どもたちに「味方が増えた!」と実感してもらえるような社会を目指して、今後も努力して参りますので、引き続きのご理解とご協力をお願い申し上げます。

 

★ご支援は↓から
http://www.tigermask-fund.jp/donation.html 

 

★進学サポーター募集中↓
http://www.tigermask-fund.jp/donation.html#kyufu

 

※Japan Givingファンドレイジングキャンペーンにご協力いただいた方々(PDF)

■平成27年度 児童養護施設退所者への支援について

NPO法人タイガーマスク基金は、公募により、平成28年4月に大学進学した新入生39名と、平成26年度に大学入学し、大学3年生に進級した学生39名と、平成27年度に大学入学し、大学2年生に進級した22名に一人当たり6万円を支給いたしました。新入生には初年度の後期支援金として、11月に一人当たり6万円を支給し、給付事業としては総額822万円を拠出。これにより、平成24年度からの延べ人数は271名となりました。進学サポーターの皆さま、助成金を給付してくださった「連合・愛のカンパ」様、ジョンソンコントロールズ株式会社ビルディングシステムズ様、ご寄付くださった全ての皆さまに心より御礼を申し上げます。

 

社会的養護の子どもたちの進学支援については、平成27年度の補正予算から国として、家賃相当額と生活費(毎月5万円)の貸付が行われることになりました。さらに、大学卒業後、5年間就業すれば返還は免除されることになり、自立生活支度費として最大でも276,190円しか支給されていなかったこれまでに比べて大きく進歩しています。しかしながら、学費については多くの学生がアルバイトを重ねながら大学に通い、卒業しても貸与型奨学金の返済に追われているのが現実です。苦学生は昔からいたとおっしゃる方も多いと思いますが、国立大学の授業料は40年前の15倍にもなり、私立であればさらに高額な学費を納めなければなりません。頼れる家族がいない児童養護施設の子どもたちは、保証人を必要とする奨学金を借りることすら困難です。近年、地方自治体で独自の支援制度を設けている地域も増えてきましたが、そもそも、子どもたちは生まれる場所や育つ施設を選べません。正直に申し上げて、タイガーが届ける支援金だけでは大学には通えません。少数の子どもたちを選別して大金を届けるのではなく、一人でも多くの子どもたちに支援を届けることを目的としているため、一人当たりの支援金は十分な額ではないと言われてしまえば、その通りかもしれません。そのかわり、返済は不要、成績も不問、地域を制限せず、他の奨学金との併用ももちろん可能、使途に制限はありません。国でもようやく給付型奨学金の創設に腰をあげましたが、学校推薦が必要で、高い学習成績を収めているか、教科以外の学校活動等で大変優れた成果を収めている者から、まず各校に1人の推薦枠を割り振ったうえで、残りを各校の申請数に応じて振り分けられる予定のため、高校時代に自立のためにアルバイトで時間がさかれる社会的養護の子どもたちがどの程度その恩恵をうけられるかは未知数です。そのため、私たちは、今後も、今すぐ支援を必要とする目の前の学生のサポートを継続することにしました。目の前の子どもだけを助けても解決しないというご意見をいただくこともあります。しかし、目の前の子どもに手を差し伸べずに、多くの子どもたちの未来を守ることはできないと考えます。皆さまのご協力に改めて感謝申し上げ、引き続きのご理解・ご支援をよろしくお願い申し上げます。

平成26年度 児童養護施設退所者への支援について

 

平成25年度 児童養護施設退所者への支援について

 

平成24年度 給付状況報告

 

平成23年度 給付事業について

 

福島県児童施設への寄付について

 

テレカプロジェクトについて

 

収支報告

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